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2021.04.06 InformationJewelry

オランダ発「ロイヤル・アッシャー」ダイヤモンドカッターの軌跡


「カリナン」カットの成功を収めた、3代目ジョセフ・アッシャー

 
1854年オランダ・アムステルダムで創業したダイヤモンドジュエラー「ROYAL ASSCHER(ロイヤル・アッシャー)」
 
ブランドのレジェンドとして誉れ高い、世界最大のダイヤモンド原石「カリナン(3,106ct)」カットの成功。当時はコンピューターやレーザーカット技術もなく、カットや研磨は熟練した職人が蓄積した経験と知見をもとに、極めて原始的な技法により手作業で行っていました。
 

【ダイヤモンドカッターの軌跡】
ここでは、数々のダイヤモンドの歴史に残る偉業を成し遂げてきたカッティングジュエラー、ロイヤル・アッシャーの軌跡をご案内します。
実際にカリナンのカット・研磨ツール、その偉業を称え英国王エドワードVII世より寄贈された銀杯など…歴史を物語るツールを通じて当時に思いを馳せ、160年以上に亘り「美しく輝くダイヤモンド」を生み出すために心血を注いできた、その真髄をご覧ください。

 


9個の大きなダイヤモンドと
複数の小さなダイヤモンドに姿を変えた「カリナン」
最大の「カリナンI世 (530.20ct)」は英国王室の王笏に
「カリナンII世(317.40ct)」は大英帝国王冠に飾られている

 

【「カリナン」のカット成功にまつわるSTORY】
1908年2月のある寒い日、ジョセフ・アッシャーが世界最大のダイヤモンドを割る瞬間を目にするため、著名人たちが集まりました。しかし、その瞬間に割れたのは石ではなくのこぎりの刃のほうでした。
 
数週間後、ジョセフ・アッシャーは新たな道具を用いて作業を再開しましたが、その部屋には公証人以外はすべての人の立ち入りを禁じました。
 
のちに語られている都市伝説では、ジョセフ・アッシャーは「カリナン」を割った後、精神的な打撃によって倒れたとされていますが、実際には結果物を検証して隣の部屋に走っていき、安堵の歓声をあげシャンパンを開けたと言われています。
 
この後、カリナンダイヤモンドは研磨され、大英帝国のクラウンジュエルとして飾られるにふさわしい出来映えとなりました。

 


1980年と2011年の二度に亘り
オランダ王室より「ロイヤル」の称号を授けられた

 

 

【英国王エドワードVII世より「カリナン」のカット、研磨の功労を讃えて贈られた王室からの記念の銀杯(1908年)】
英国王エドワードVII世は、皇太子時代からファッションに精通したプリンスとして知られ“エドワードジャケット”など、現在のスーツの着こなしは英国王エドワードVII世に由来するとも言われています。
また、英国王エドワードVII世の治世に流行したジュエリー、ファッション、家具、建築など、“エドワーディアンスタイル”と呼ばれています。
 
写真は1908年、「カリナン」カットの功労に報いるため、英国王エドワードVII世が特別に注文した銀杯。感謝の意とともに、大役を果たしたアッシャー社4名の名が手彫りされています。
この銀杯は、シャンパンクーラーとしても使用出来るよう作られており、シャンパンフルートを放射線状にセット出来るようデザインされています。

 


 

1:世界最大のダイヤモンド原石「カリナン」(レプリカ)
1905年に南アフリカのプレミア鉱山で発見された、世界最大のダイヤモンド原石「カリナン(3,106ct)」。 あまりの大きさに、最初は水晶と間違えられたと言います。「カリナン」の名は、鉱山主である“トーマス・カリナン”に因んで名付けられました。
 
2:3つにカットされた、ダイヤモンド原石「カリナン」(レプリカ)
1908年、「カリナン」は3代目ジョセフ・アッシャーの手により3つにカットされました。一番大きな中央の原石は「カリナンI世」に、二番目に大きな左側の原石は「カリナンII世」へと姿を変えました。
 
3:ジョセフ・アッシャーが特注した専用ルーペ
「カリナン」カットの大仕事を拝命した後、特別に作らせた100倍の拡大ルーペには、ジョセフ・アッシャーの名が手彫りされています。1年以上の歳月をかけてカリナンの結晶構造を調べ、いかに歩留りよくカットするか、また、刃を当てる劈(へき)開面について追究しました。
 
4:「カリナン」カットで破損した刃
「カリナン」カットを目的に、特別に作られた金属製の刃。最初にカットを試みた際、「カリナン」の硬さにより、ダイヤモンドではなく刃の方が割れてしまいました。
 
5:「カリナン」カットに成功した刃
最初のカットで割れた刃よりも、刃の部分を更に厚くして製作されました。1908年2月、この刃により、ジョセフ・アッシャーは「カリナン」カットの偉業を成し遂げることが出来ました。
 
6:「カリナンI世」のカットの際にダイヤモンドを固定した木製の土台
固定する部分には、松ヤニが使われました。それは、固定前に松ヤニを熱して柔らかくしてダイヤモンドを設置し、冷めた段階でしっかり固定するためです。

 

 

7:「カリナン」カットに使われた金属製スティック
カットするダイヤモンド原石に金属製の刃をあて、土台に固定し、金属製のスティックによる一撃でダイヤモンドをカットしました。
 
8:研磨用ダイヤモンドパウダーを収納する木製引き出し
カットしたダイヤモンドの研磨は、仕上げの段階ごとに、目の粗さの違うダイヤモンドパウダーを使用していました。この木製引き出しには、きめの細かさごとにダイヤモンドパウダーが収納されていました。
 
9:木製スケールボックス
当時は電子秤などの精密機器がなく、ダイヤモンドの重量は原始的な秤ではかられていました。折り畳みが簡単にでき、運搬も便利でした。

 


1900年代初頭のオランダ本社

 


「カリナン」カットに携わったアッシャー家の6名

 

もっとROYAL ASSCHER DIAMONDの魅力について知りたい方は、ぜひ公式ホームページもご覧ください!
https://www.royalasscher-jp.com/brand-summary/

 

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